リーマンショック時の円高変動ペア比較
リーマンショック前後の数ケ月間における、各通貨ペアの円高による最大下落率=最大損失率(%)を整理してみました。 (自分で読み取って作成した図です。日中の変動は考慮せず、日足の終値。データは前回のこちら→ペアの円高変動(リーマンショック時の下落比較 ) 前回はベタ打ちでわかりにくかったので、図にして再掲しました。)
リーマンショック前の2008年7月の日足高値から、ショック後の2009年3月までの安値のクロス円の下落率は以下でした。

下落率(%)=為替差損率(%)の小さい順に、USD-21.1、CHF-27.3、EUR-32.1、CAD-33.6、GBP-43.3、TRY-43.7、NZD-44.7、ZAR-45.0、AUD-46.5でした。
あれほど騒がれているのに下落率が一番小さいのはUSDでした。基軸通貨なので、マスが圧倒的で、相対的には安定しています。次が第2の避難通貨のCHF、次がマスの大きいEURでした。
CAD<<GBP<TRY<NZD<ZAR<AUDの順に下落率が大きく、これは平常時の投資人気順で、リスク時の巻き戻しの大きさ順だと思われます。TRYやZARよりも、AUDが最大の下落率で、投資が最も蓄積されていたのでしょう。(AUDの場合、100万円持ってたら-46.5万円ですから、レバレッジ2倍程度まででしたね。)
同様に、CHF売りの高金利通貨買い、および、低金利通貨売りのTRY買いの場合は以下でした。

同じCHF売りの下落率(%)=為替差損率(下落時の損失/購入時のネット持ち高)の高金利側比較は以下でした。
CHFZAR-23.1、CHFAUD-23.5、CHFTRY-27.5。
同じTRY買いの下落率(%)の低金利通貨側比較は以下でした。
GBPTRY-17.4、EURTRY-20.5、CADTRY-22.8、CHFTRY-27.5、USDTRY-31.3。
クロス円の為替差損比率と比較すると、何れも下落率は小さく、円高リスクに対する優位性は明らかです。
低金利通貨側も下がっているので、ネット持ち高が小さくなります。自動的にレバレッジが下がることになり、その分円高リスクヘッジできるためです。
AUDの場合、およそ半分、TRYの場合、およそ2/3で、購入時のレバレッジではおおよそ4-3倍でも堪えられていました。
売る方の低金利通貨では、GBPが最も小さく(GBPJPYも大きく下落しましたからね。)、次がEURでした。USDは変動率が小さいので、円高リスクヘッジ効果も小さいです。
この結果だけから考えると、GBPやEURの売りにして、レバレッジを高くする方法論も有るのかな、と思います。
いつもこの数値、順序になるわけではありませんが、将来的には、リーマンショッククラスのリスク時にも耐えられるように、低金利通貨売り/高金利通貨調達の方法論を活用していきたいと考えています。
(クロス円で無い場合の急激な円高リスク優位性は明らかですが、この場合に怖いのは、売り通貨のゆっくりとした上昇です。最近のスイスフラン高のような。)
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リーマンショック前の2008年7月の日足高値から、ショック後の2009年3月までの安値のクロス円の下落率は以下でした。

下落率(%)=為替差損率(%)の小さい順に、USD-21.1、CHF-27.3、EUR-32.1、CAD-33.6、GBP-43.3、TRY-43.7、NZD-44.7、ZAR-45.0、AUD-46.5でした。
あれほど騒がれているのに下落率が一番小さいのはUSDでした。基軸通貨なので、マスが圧倒的で、相対的には安定しています。次が第2の避難通貨のCHF、次がマスの大きいEURでした。
CAD<<GBP<TRY<NZD<ZAR<AUDの順に下落率が大きく、これは平常時の投資人気順で、リスク時の巻き戻しの大きさ順だと思われます。TRYやZARよりも、AUDが最大の下落率で、投資が最も蓄積されていたのでしょう。(AUDの場合、100万円持ってたら-46.5万円ですから、レバレッジ2倍程度まででしたね。)
同様に、CHF売りの高金利通貨買い、および、低金利通貨売りのTRY買いの場合は以下でした。

同じCHF売りの下落率(%)=為替差損率(下落時の損失/購入時のネット持ち高)の高金利側比較は以下でした。
CHFZAR-23.1、CHFAUD-23.5、CHFTRY-27.5。
同じTRY買いの下落率(%)の低金利通貨側比較は以下でした。
GBPTRY-17.4、EURTRY-20.5、CADTRY-22.8、CHFTRY-27.5、USDTRY-31.3。
クロス円の為替差損比率と比較すると、何れも下落率は小さく、円高リスクに対する優位性は明らかです。
低金利通貨側も下がっているので、ネット持ち高が小さくなります。自動的にレバレッジが下がることになり、その分円高リスクヘッジできるためです。
AUDの場合、およそ半分、TRYの場合、およそ2/3で、購入時のレバレッジではおおよそ4-3倍でも堪えられていました。
売る方の低金利通貨では、GBPが最も小さく(GBPJPYも大きく下落しましたからね。)、次がEURでした。USDは変動率が小さいので、円高リスクヘッジ効果も小さいです。
この結果だけから考えると、GBPやEURの売りにして、レバレッジを高くする方法論も有るのかな、と思います。
いつもこの数値、順序になるわけではありませんが、将来的には、リーマンショッククラスのリスク時にも耐えられるように、低金利通貨売り/高金利通貨調達の方法論を活用していきたいと考えています。
(クロス円で無い場合の急激な円高リスク優位性は明らかですが、この場合に怖いのは、売り通貨のゆっくりとした上昇です。最近のスイスフラン高のような。)
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ペアの円高変動(リーマンショック時の下落比較 )
リーマンショック時の各通貨ペアの円高変動を整理してみました。リーマンショック前の2008年7月の日足高値から、ショック後の2009年3月までの安値のクロス円は以下でした。(日中の変動は考慮せず、日足の終値。カッコ内は月日。)
USDJPY:110.483(815) 92.764(1027) 87,218(1217)
EURJPY:169.147(806) 115.886(1027) 114.896(0123)
GBPJPY:215.681(723) 144.251(1027) 122.281(0123)
CHFJPY:104.564(721) 80.274(1027) 76.061(1205)
CADJPY:106.735(723) 71.595(1027) 70.830(0122)
AUDJPY:104.230(722) 55.795(1027) 56.450(0202)
NZDJPY: 81.470(722) 50.170(1027) 45.025(0202)
ZARJPY: 14.915(804) 8.205(1022) 8.638(0122)
TRYJPY: 94.000(805) 55.300(1024) 52.930(0123)
10月27日が安値のものと、それ以降3月までに安値になったものがあります。最大値-最小値を取って、下落率(%)=為替差損率(%)の小さい順に、USD-21.1、CHF-27.3、EUR-32.1、CAD-33.6、GBP-43.3、TRY-43.7、NZD-44.7、ZAR-45.0、AUD-46.5でした。
あれほど騒がれているのに下落率が一番小さいのはUSDでした。基軸通貨なので、マスが圧倒的で、相対的には安定しています。次が第2の避難通貨のCHF、次がマスの大きいEURでした。
CAD<<GBP<TRY<NZD<ZAR<AUDの順に下落率が大きく、これは平常時の投資人気順で、リスク時の巻き戻しの大きさ順だと思われます。TRYやZARよりも、AUDが最大の下落率で、投資が最も蓄積されていたのでしょう。(AUDの場合、100万円持ってたら-46.5万円ですから、レバレッジ2倍程度まででしたね。)
同様に、CHF売りの高金利通貨買い、および、低金利通貨売りのTRY買いの場合は以下でした。
CHFAUD:0.99815(722) 1.43835(1027)
CHFZAR:6.87070(801) 9.78150(1022)
CHFTRY:1.06270(901) 1.44579(1024) 1.55717(0309)
USDTRY:1.15245(804) 1.70855(1024) 1.72975(1120)
EURTRY:1.71170(901) 2.15144(1022) 2.33771(0319)
GBPTRY:2.10939(901) 2.72149(1022)
CADTRY:1.09645(901) 1.33300(1022) 1.38592(0306)
同じCHF売りの下落率(%)=為替差損率(下落時の損失/購入時のネット持ち高)の高金利側比較は以下でした。
CHFZAR-23.1、CHFAUD-23.5、CHFTRY-27.5。
同じTRY買いの下落率(%)の低金利通貨側比較は以下でした。
GBPTRY-17.4、EURTRY-20.5、CADTRY-22.8、CHFTRY-27.5、USDTRY-31.3。
クロス円の為替差損比率と比較すると、何れも下落率は小さく、円高リスクに対する優位性は明らかです。
低金利通貨側も下がっているので、ネット持ち高が小さくなります。自動的にレバレッジが下がることになり、その分円高リスクヘッジできるためです。
AUDの場合、およそ半分、TRYの場合、およそ2/3で、購入時のレバレッジではおおよそ4-3倍でも堪えられていました。
売る方の低金利通貨では、GBPが最も小さく(GBPJPYも大きく下落しましたからね。)、次がEURでした。USDは変動率が小さいので、リスクヘッジ効果も小さいです。
この結果だけから考えると、GBPやEURの売りにして、レバレッジを高くする方法論も有るのかな、と思います。
いつもこの数値、順序になるわけではありませんが、将来的には、リーマンショッククラスのリスク時にも耐えられるように、低金利通貨売り/高金利通貨調達の方法論を活用していきたいと考えています。
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USDJPY:110.483(815) 92.764(1027) 87,218(1217)
EURJPY:169.147(806) 115.886(1027) 114.896(0123)
GBPJPY:215.681(723) 144.251(1027) 122.281(0123)
CHFJPY:104.564(721) 80.274(1027) 76.061(1205)
CADJPY:106.735(723) 71.595(1027) 70.830(0122)
AUDJPY:104.230(722) 55.795(1027) 56.450(0202)
NZDJPY: 81.470(722) 50.170(1027) 45.025(0202)
ZARJPY: 14.915(804) 8.205(1022) 8.638(0122)
TRYJPY: 94.000(805) 55.300(1024) 52.930(0123)
10月27日が安値のものと、それ以降3月までに安値になったものがあります。最大値-最小値を取って、下落率(%)=為替差損率(%)の小さい順に、USD-21.1、CHF-27.3、EUR-32.1、CAD-33.6、GBP-43.3、TRY-43.7、NZD-44.7、ZAR-45.0、AUD-46.5でした。
あれほど騒がれているのに下落率が一番小さいのはUSDでした。基軸通貨なので、マスが圧倒的で、相対的には安定しています。次が第2の避難通貨のCHF、次がマスの大きいEURでした。
CAD<<GBP<TRY<NZD<ZAR<AUDの順に下落率が大きく、これは平常時の投資人気順で、リスク時の巻き戻しの大きさ順だと思われます。TRYやZARよりも、AUDが最大の下落率で、投資が最も蓄積されていたのでしょう。(AUDの場合、100万円持ってたら-46.5万円ですから、レバレッジ2倍程度まででしたね。)
同様に、CHF売りの高金利通貨買い、および、低金利通貨売りのTRY買いの場合は以下でした。
CHFAUD:0.99815(722) 1.43835(1027)
CHFZAR:6.87070(801) 9.78150(1022)
CHFTRY:1.06270(901) 1.44579(1024) 1.55717(0309)
USDTRY:1.15245(804) 1.70855(1024) 1.72975(1120)
EURTRY:1.71170(901) 2.15144(1022) 2.33771(0319)
GBPTRY:2.10939(901) 2.72149(1022)
CADTRY:1.09645(901) 1.33300(1022) 1.38592(0306)
同じCHF売りの下落率(%)=為替差損率(下落時の損失/購入時のネット持ち高)の高金利側比較は以下でした。
CHFZAR-23.1、CHFAUD-23.5、CHFTRY-27.5。
同じTRY買いの下落率(%)の低金利通貨側比較は以下でした。
GBPTRY-17.4、EURTRY-20.5、CADTRY-22.8、CHFTRY-27.5、USDTRY-31.3。
クロス円の為替差損比率と比較すると、何れも下落率は小さく、円高リスクに対する優位性は明らかです。
低金利通貨側も下がっているので、ネット持ち高が小さくなります。自動的にレバレッジが下がることになり、その分円高リスクヘッジできるためです。
AUDの場合、およそ半分、TRYの場合、およそ2/3で、購入時のレバレッジではおおよそ4-3倍でも堪えられていました。
売る方の低金利通貨では、GBPが最も小さく(GBPJPYも大きく下落しましたからね。)、次がEURでした。USDは変動率が小さいので、リスクヘッジ効果も小さいです。
この結果だけから考えると、GBPやEURの売りにして、レバレッジを高くする方法論も有るのかな、と思います。
いつもこの数値、順序になるわけではありませんが、将来的には、リーマンショッククラスのリスク時にも耐えられるように、低金利通貨売り/高金利通貨調達の方法論を活用していきたいと考えています。
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tag : 円高リスクヘッジ
ペアによる円高リスクヘッジ
円高リスクはFXを運用する上で最も気をつけねばならない為替変動です。リスク時には、避難通貨である円が最も高くなり、次が第2の避難通貨であるCHFや、マスの大きいUSDとなり、次がEUR、高金利通貨で平常時に投資される豪ドルやZAR、TRYは急落します。単純にクロス円ストレートだと直撃になります。これを回避する方法を整理してみます。
両建てや逆相関ペアが考えられています。両建ては買いと売りを同時に持つので、為替変動リスクヘッジはできますが、売買のタイミング次第ですので、難しいように思います。スワップ派にはあまり意味が無いように思ってましたが、スワップの差のある異業者を使う面白いやり方も考えられています。ただし、得られるスワップは差になりますので、かなり小さくなるようです。
両建てを変形して異なるペアの売りと買いを同時に行うことが考えられます。スワップ派の観点からスワップを優先させると、出来るだけ金利の高い通貨の買いと安い通貨の売りの組み合わせになります。円の次に金利の安い通貨はCHFが代表的です。第2の避難通貨余のCHFよりも、GBPやCAD、EURの方が、よりリスクヘッジできます。ただ、金利差は小さくなるので、スワップの観点からは本末転倒のように思います。
もう一つ、CHFTRYのようなクロス円以外の、円ストレートで無いペアが考えられます。
ここで、クロス円ストレートとこの両者の方法論による円高リスクヘッジがどの程度なのかを比べてみます。
話を簡単にするために、CHF90円、TRY60円だったとして、これが円高で80円と50円に下がったとします。(他の通貨の場合や、違う数値でも同じ計算の仕方です。)
CHFJPY売り:+10 下落率88.8%
TRYJPY買い:-10 下落率83.3%
TRYJPY買いのみの場合には-10だが、CHFJPYの売りを同時にしてた場合は、差し引き-0
1.5TRY買いのみの場合には-15だが、CHFJPYの売りを同時にしてた場合は、差し引きー5
CHFTRYの売りの場合には、90/60で1.5が、80/50で1.6になったのだから、差し引きー0.1TRYなので-5
3者が同じ1.5TRYで比較すると、1.5TRYJPYの買いのみは-15に対して、CHFJPYの売りを組み合わせた場合でも、CHFTRYの売りの場合にもー5と、どちらも同等にリスクヘッジ出来ています。
TRYの下落が相対的により大きい場合には、1.5倍持っているのですから、円高リスクヘッジ効果は小さくなってきます。例えば、上記の例でTRYが40円になった場合(過去最安値の48.2円を大きく下回る場合)には、1.5TRYJPYの買いのみは-30に対して、CHFJPYの売りを組み合わせた場合でも、CHFTRYの売りの場合にもー20になります。それでもかなり大きな円高リスクヘッジ効果があるので、安心材料にすることもできますし、同じリスクを取る場合なら、レバレッジを高くすることもできると思います。
円高自身はあまり怖くなくなります。特に短期的な急激な円高に対しては。
怖いのは、円高よりも、長期的なTRY安とCHF高が同時に進行することです。(日本の原発不安が終息しないと、第二の避難通貨のCHF高が継続する可能性があります。原発以降はCHFよりもGBPなどの方が良いのかもしれません。これが今の私の悩みです。)
両者の方法論の円高リスクヘッジ効果は同じでも、その他のメリットデメリットは異なります。
CHF売り+TRY買いは、ほとんど全ての業者が取り扱ってること、ペアの組み合わせが豊富で選択が多いこと、業者選定やペアの比率、売買タイミングを独立して自分で調整できることはメリットです。しかし、それぞれ単独なので、必要証拠金が多くなります。同じく、資金調達コストは付きません。
CHFTRY売りは、業者がSAXO系に限られてしまうこと、CHFとTRYの比率が両者の価格で固定されていて自由度が無いこと、は不利ですが、資金調達コストが付くこと(ただし、現時点ではTRYは付かず、付くのはZAR、AUDです)、必要証拠金が少ないことは優位です。
個人的には、前者のメリットにはあまり魅力を感じず、後者を採用しています。
両建てや逆相関ペアが考えられています。両建ては買いと売りを同時に持つので、為替変動リスクヘッジはできますが、売買のタイミング次第ですので、難しいように思います。スワップ派にはあまり意味が無いように思ってましたが、スワップの差のある異業者を使う面白いやり方も考えられています。ただし、得られるスワップは差になりますので、かなり小さくなるようです。
両建てを変形して異なるペアの売りと買いを同時に行うことが考えられます。スワップ派の観点からスワップを優先させると、出来るだけ金利の高い通貨の買いと安い通貨の売りの組み合わせになります。円の次に金利の安い通貨はCHFが代表的です。第2の避難通貨余のCHFよりも、GBPやCAD、EURの方が、よりリスクヘッジできます。ただ、金利差は小さくなるので、スワップの観点からは本末転倒のように思います。
もう一つ、CHFTRYのようなクロス円以外の、円ストレートで無いペアが考えられます。
ここで、クロス円ストレートとこの両者の方法論による円高リスクヘッジがどの程度なのかを比べてみます。
話を簡単にするために、CHF90円、TRY60円だったとして、これが円高で80円と50円に下がったとします。(他の通貨の場合や、違う数値でも同じ計算の仕方です。)
CHFJPY売り:+10 下落率88.8%
TRYJPY買い:-10 下落率83.3%
TRYJPY買いのみの場合には-10だが、CHFJPYの売りを同時にしてた場合は、差し引き-0
1.5TRY買いのみの場合には-15だが、CHFJPYの売りを同時にしてた場合は、差し引きー5
CHFTRYの売りの場合には、90/60で1.5が、80/50で1.6になったのだから、差し引きー0.1TRYなので-5
3者が同じ1.5TRYで比較すると、1.5TRYJPYの買いのみは-15に対して、CHFJPYの売りを組み合わせた場合でも、CHFTRYの売りの場合にもー5と、どちらも同等にリスクヘッジ出来ています。
TRYの下落が相対的により大きい場合には、1.5倍持っているのですから、円高リスクヘッジ効果は小さくなってきます。例えば、上記の例でTRYが40円になった場合(過去最安値の48.2円を大きく下回る場合)には、1.5TRYJPYの買いのみは-30に対して、CHFJPYの売りを組み合わせた場合でも、CHFTRYの売りの場合にもー20になります。それでもかなり大きな円高リスクヘッジ効果があるので、安心材料にすることもできますし、同じリスクを取る場合なら、レバレッジを高くすることもできると思います。
円高自身はあまり怖くなくなります。特に短期的な急激な円高に対しては。
怖いのは、円高よりも、長期的なTRY安とCHF高が同時に進行することです。(日本の原発不安が終息しないと、第二の避難通貨のCHF高が継続する可能性があります。原発以降はCHFよりもGBPなどの方が良いのかもしれません。これが今の私の悩みです。)
両者の方法論の円高リスクヘッジ効果は同じでも、その他のメリットデメリットは異なります。
CHF売り+TRY買いは、ほとんど全ての業者が取り扱ってること、ペアの組み合わせが豊富で選択が多いこと、業者選定やペアの比率、売買タイミングを独立して自分で調整できることはメリットです。しかし、それぞれ単独なので、必要証拠金が多くなります。同じく、資金調達コストは付きません。
CHFTRY売りは、業者がSAXO系に限られてしまうこと、CHFとTRYの比率が両者の価格で固定されていて自由度が無いこと、は不利ですが、資金調達コストが付くこと(ただし、現時点ではTRYは付かず、付くのはZAR、AUDです)、必要証拠金が少ないことは優位です。
個人的には、前者のメリットにはあまり魅力を感じず、後者を採用しています。
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tag : 円高リスクヘッジ
円高リスクヘッジの検証
例えば、CHFTRYの場合、円高になった場合には、CHFもTRYも安くなります。同じ比率ではないので影響は受けますが、クロス円ストレート比較するとその程度はずっと小さくなります。
3月17日の原発をダシにした急激な円高(クロス円の急落)の実例を用いて、資金調達コストのペアの円高リスクヘッジ効果を検証してみました。数日前の日足高値から3月17日の下髭最安値との落差を用いた場合の価値の下落は、クロス円ストレートの場合は以下でした。
CHF94.9%<EUR92.1%<TRY91.9%<USD91.6%<AUD88.3%<ZAR86.3%
CHFは円に次ぐ避難通貨ですから、下落しにくいのはいつものことです。平常時には投資されない魅力無い通貨だからです。次にマスの大きいUSかEURDが来るのが通常ですが、TRYは昨年年12月から異常に弱くなって既に下落していたために、今回は例外的に下落しにくかったのだろうとと思います。AUD、ZARは平常時は魅力があって投資されていたために下落が大きくなるのは通常のことです。
CHF売りのペアは以下でした。
CHFTRY95.4%<CHFAUD92.2&<CHFZAR92.2%
円ストレートの場合と比較して、おおよそ半分から2/3の下落でした。
なお、円高リスクヘッジだけを考えれば、第二の避難通貨のCHFよりもEUR、GBP、CADを売る方が有利です。例えば、EURZARの今回の場合の下落は95.3%でした。これらの場合、CHFよりも金利差が小さくなるので、私は採用していません。
2008年のリーマンショック時の円高程度を同様にまとめてみました。
高金利通貨買い(TRY、ZAR、AUD)のクロス円ストレートは53-56%に下落しました。
CHF/高金利通貨(TRY、ZAR、AUD)は72-76%の価値に下落しました。
いつもこの序列と数値になるわけではありませんが、それだけ円高リスクヘッジできていたことは確認できました。クロス円ストレートに対して、資金調達コストが付くペアの円高リスクヘッジの優位性は明らかです。
これを同じレバレッジにして安心材料にするか、投資に使う(レバレッジを高くする)か、チト悩ましいところです。と言うのは、円高リスクヘッジはできても、CHF高、TRY安そのものに対してはリスクヘッジできず、同時に起こった場合には、より大きな影響となってしまうからです。
円高よりもこちらの方がより心配ですが、リーマンショック時でもそのようなことはありませんでしたので、国家破綻のような通貨危機が発生しない限り、大丈夫だろうと考えてはいます。
3月17日の原発をダシにした急激な円高(クロス円の急落)の実例を用いて、資金調達コストのペアの円高リスクヘッジ効果を検証してみました。数日前の日足高値から3月17日の下髭最安値との落差を用いた場合の価値の下落は、クロス円ストレートの場合は以下でした。
CHF94.9%<EUR92.1%<TRY91.9%<USD91.6%<AUD88.3%<ZAR86.3%
CHFは円に次ぐ避難通貨ですから、下落しにくいのはいつものことです。平常時には投資されない魅力無い通貨だからです。次にマスの大きいUSかEURDが来るのが通常ですが、TRYは昨年年12月から異常に弱くなって既に下落していたために、今回は例外的に下落しにくかったのだろうとと思います。AUD、ZARは平常時は魅力があって投資されていたために下落が大きくなるのは通常のことです。
CHF売りのペアは以下でした。
CHFTRY95.4%<CHFAUD92.2&<CHFZAR92.2%
円ストレートの場合と比較して、おおよそ半分から2/3の下落でした。
なお、円高リスクヘッジだけを考えれば、第二の避難通貨のCHFよりもEUR、GBP、CADを売る方が有利です。例えば、EURZARの今回の場合の下落は95.3%でした。これらの場合、CHFよりも金利差が小さくなるので、私は採用していません。
2008年のリーマンショック時の円高程度を同様にまとめてみました。
高金利通貨買い(TRY、ZAR、AUD)のクロス円ストレートは53-56%に下落しました。
CHF/高金利通貨(TRY、ZAR、AUD)は72-76%の価値に下落しました。
いつもこの序列と数値になるわけではありませんが、それだけ円高リスクヘッジできていたことは確認できました。クロス円ストレートに対して、資金調達コストが付くペアの円高リスクヘッジの優位性は明らかです。
これを同じレバレッジにして安心材料にするか、投資に使う(レバレッジを高くする)か、チト悩ましいところです。と言うのは、円高リスクヘッジはできても、CHF高、TRY安そのものに対してはリスクヘッジできず、同時に起こった場合には、より大きな影響となってしまうからです。
円高よりもこちらの方がより心配ですが、リーマンショック時でもそのようなことはありませんでしたので、国家破綻のような通貨危機が発生しない限り、大丈夫だろうと考えてはいます。
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